パウンドケーキなら九段のゴンドラ
信頼と伝統の100年の味
〒102-0074 東京都千代田区九段南3-7-8
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★メディア掲載されたものの一部をご紹介します★
・三宅菊子
・エッセイスト、フードジャーナリスト 向笠千恵子
・AERA No.38より抜粋
・天然生活2015年7月号
[三宅菊子]
ゴンドラさんのお菓子は幼い頃からの深いおなじみ。というこは、私の母がこのお菓子をいかに愛したか、でもあるのだ。靖国神社をへだててすぐ近くに住んでいた私たち母子は、嬉しいことがあっても、ちょっと悲しくても、何の理由もないときでも、よくゴンドラさんにお菓子を買いに行った。そしていつもこの味で最上の機嫌になってしまうのだった。―その頃からかれこれ三十年、私たちはずっと、ゴンドラさんのお菓子を愛し続けてきた。とくにパウンドケーキに惚れている。洋菓子のいちばん基本で、だからこそいちばん難しいのではないかと思われるこのお菓子では、ゴンドラさんの作る味にかなうものをまだ食べたことがない。ときどき新しい店、ほかの店のお菓子に浮気をしても、やっぱりゴンドラ、と”原点”に戻ってくる。この頃よく売れるので数を作らなければならず、そうするとボールの大きさが変わって微妙に手加減が違ってくる・・・・・・というようなお話を伺って、私はとても感心する。特別に贅沢なバターを使わなければ気が済まない、しかもバターの製造年月日をちょっと含んでみてすぐ正確にあててしまう。そんなご主人細内善次郎さんの明治職人気質に敬服する。私が子供だった頃、お店でよく見かけた腕白少年が、いまは立派な跡つぎとしてお菓子づくりに専心する。このことにも私は感動してしまう。幼いうちからお父さんの仕事を見て育ち、微妙な味加減の奥伝を体で受けとめて覚え込んだ。文字どおり父子二代で築き守られているお菓子の味。やがてお孫さんもお菓子の仕事をするかもしれない。秘伝というのは結局、頑固なほどに「ちゃんとした」作り方をするという、つまり配合や火の具合以前の、人生観なのだ。と、このパウンドを食べるたび、「いい仕事をして生きて行くこと」の意味を教えられるような気がする
[エッセイスト、フードジャーナリスト 向笠千恵子]
ゴンドラの美味は、オーナーシェフの細内進さんのセンスと情熱の賜物。最高傑作はもちろんパウンドですが、その姉妹にあたる焼き菓子は、もっと気軽でコンパクトなもの。ギフトにはもちろん、ふだんのティータイムにもぴったりです。焼き菓子の詰め合わせには、フランス、スイス、ドイツなどヨーロッパ菓子が勢揃い。まるで焼き菓子のEU(欧州連合)といった感じですが、どれも本場の味に細内流の一工夫が加わり、ゴンドラならではの新しいおいしさになっています。焼き菓子の原料は小麦粉、砂糖、卵、バターが基本で、とてもシンプルですが、配合やちょっとした泡立て方などで、みごとに異なった表情を見せてくれます。たとえば、ガトーブルトンは隠し味のラム酒のおかげで、バターのコクが豊潤なのにさっぱり味という不思議な仕上がり。フィナンシェは生菓子タイプで、半生菓子タイプで、配合の妙によって基本材料の素朴さ優美な味覚世界になっていて、ソフトな味わいとフレッシュバターのミックス加減が素敵です。ほかのお菓子たちも、アーモンド、くるみ、アプリコット、フィグ(いちじく)などの香りや歯応えをアクセントしたり、生地の弾力を楽しんだりと、小さな玉手箱のように楽しみがぎゅぎゅっと詰まったものばかりです。いずれも決して派手なお菓子ではありませんが、食べたあとの余韻がそれぞれ深く心地よく残り、いわば大人向けの味わいになっています。いままで各種のお菓子を食べてきた方々にこそ、ぜひ味わっていただきたいと存じます。取り合わせるお茶はコーヒーでも紅茶でもお好み次第。日本茶とも合いますのでお試しください。お茶で口を清めてから、お菓子をいただき、最後の余韻までしっかり噛みしめる―そんなふうに楽しむと、いっそうおいしく味わえると思います。
[AERA No.38より抜粋]
ひと口食べれば卵とバターの香りがふわりと鼻を通りぬけ、その後、やさしい甘みが喉をすりぬけていくゴンドラのマドレーヌ。「本来ヨーロッパののマドレーヌは固くて締まった生地。でもそのままだと、四季があって湿気の多い気候の日本には合わないでしょう?日本人は柔らかくて喉の通りがよいものを好む傾向にあるから、レシピを工夫してしっとり感のある生地にしているんですよ。」ひとつ食べるとついもうひとつ食べたくなってしまう、ゴンドラのマドレーヌ。「つい」の秘密はそんなところにあったのですね。
[天然生活2015年7月号]
1. 三代目の滋之さんが大きな大きなボウルに材料を
入れ、手早く、
へらで混ぜます。
2. あとは、腰を使って、これまた大きな泡立て器で
シャッシャッと攪拌。
3. 最後に雲のようにふんわりとしたメレンゲを入れ、
さっくり
混ぜ合わせて、生地づくりは完了。
年季の入った型に流し込み、30年物のオーブンでじっくり焼き上げます。
オーブンを開けたら真剣勝負。
ほかの作業をしていた職人さんたちもいっせいに集まり、作業に参加します。
軍手をはめオーブンから次々とケーキを取り出す人、生地と型の間にナイフをすっと滑らせ、やさしく型からケーキを取り出す人
それをバットに並べる人・・・・・・一糸乱れぬ連携プレーです。
そして、最後に真打登場。進さんが大きなはけで、ラム酒をささっとぬっていきます。「大事なのは手際ですよ」「これ、いいな」「好きだな」と思うものだけを、店に並べているのだといいます。「喉に通って、食べ終わったあとに、ああ、もう一個食べたいな、そう思えるものが、私の考える“おいしい”ケーキなんですよ」